判定で着床していないことを告げられ
身も心もゼロになった私はぼーっと待合室に座っていました。
診察後に行われる看護士との話し合いを待っていました。
1.今後
胚移植5回目~怒りと転院
「まーこさん、残念な結果になりましたね」
そう言う看護士の声からは同情やかわいそうという気持ちは感じられず、淡々と話しかけられました。
「それで今後のことなんだけどね…」
と一枚の紙を差し出される。
「これだけ着床しないとなると不育症の可能性があるから検査をお勧めしたいんだけど。もちろん検査をしないでまた採卵から行うということもできるんだけど…」
と、不育症かどうかを検査する検査一覧とその費用が書かれた紙を差し出されました。
不育症については私自身そうなのかもと思っていて、
移植3回目くらいの頃から何度か先生や看護士に相談しました。
すると、
「不育症は着床して少し育ったものの育たなかった時のことだから」
「私(看護士)からは何とも言えません…」
と詳しい説明や話をしてもらえることなく遮られました。
それを今になって言う…?
ふざけるな。と怒りで震えました。
『…します。』
「えっ?」
『転院、します』
この怒りを目の前の看護士にぶつけてもどうしようもないだろう。
仮に不育症の検査をしたところでまたあの苦痛の時間とふざけた医者のお世話になることは1ミリも考えられなかった。
そして今さらの不育症発言をされて信用も何もかもなくなりました。
2.手続き
「…そう、ですか」
看護士はすこし驚いたような表情をするものの気持ちを切り替えたように、淡々と転院に向けての書類や説明をしました。
変にごねられるかと思ったけど思ったよりアッサリ転院を認めてくれました。
転院をするには転院先の病院にこれまでの治療カルテを送ったり色々手続きをしないといけないらしい。
紹介状もアッサリ書いてもらえて、何の気遣いをすることなくAクリニックでの治療が終了しました。
1時間ほど話をしてクリニックを後にした私。
からっぽになったお腹をさすり、悲しい気持ちもあったけど
妙にスッキリしていました。
『また、一から頑張ればいい』
その夜、夫に陰性の報告をしてひとしきり泣きました。
「新しい病院でまた頑張ろう」
夫はそう言って背中をさすってくれました。
夫自身も辛いししんどいだろうに
私とお腹にいたたまごを気遣ってくれて本当にありがたかったです。
3.カウンセリング
実は判定日を迎える1日前に、転院先のBクリニックでカウンセリングを受けました。
市の取り組み?で、不妊治療に関して助産師や医師から相談にのってもらえるというサービスを見つけ、
それを利用したところ、相談にのってもらえる医師がたまたま転院希望先のBクリニックの先生だということが分かり、
院内の様子を見学しつつ話を聞きに行きました。
BクリニックはAクリニックと比べ規模も大きく、不妊治療だけではなく、様々な女性に関わる疾患を持っている人が訪れていました。
設備も(その当時)新しくしたばかりで、とにかく綺麗な印象。
先生や看護士さんもやさしくて、Aクリニックと比べたらまさに雲泥の差でした。
カウンセリングでは、(無料のため)私の身体に関わることはしませんでしたが、
そのクリニックで行っている治療方法や他院との違いなどを詳しく丁寧に教えてくれて
話を聞き終える頃には安心感と信頼度が爆上がりしました。
『ここのクリニックにお世話になろう』
モヤモヤが何一つなく前向きにクリニックをあとにしたのはこの時が初めて。
何かわからないけど、このクリニックでなら妊娠できそうな気がする。
そう確信した瞬間でした。